本日より公開、堤真一主演「クライマーズ・ハイ」観てきました。
劇場内、初日のせいもあってか、まずまずのお客さん入りでしたが意外にも年配の方が多かったな~。
では・・・
これより先の記事にはネタバレを含んでいます。これから観賞予定のある方、お気をつけください。
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実は、この映画の存在を知ってから何となく、いつもの時とは違う緊張感のようなものがずっとありました。。。
1985年8月12日、わたしは群馬にいました。
お盆のために、母方の親戚を訪ねていたのです。
飛行機がレーダーから姿を消したという一報を聞いた時、大人たちはその何年か前の羽田沖の事故のようにどこかに不時着してるんじゃないのか・・・・というような話をしていました。飛行機事故は昔から絶えないですが、まさか524名もの乗客を乗せたジャンボ機が墜落したとは最初は誰も思わなかったんじゃないですかね。(かつての上司は埼玉県某所で異常なほど低空飛行のジャンボを見たそうです。)
夜になってから盛んにニュースでこの事が取り上げられて何だか段々と嫌な感じ・・・というか、暗い気持ちに支配されていくような感じでした。
この映画のストーリー自体は事故そのものを追うものではなく、この事故の報道を命がけで行おうとした新聞社(新聞記者)の話です。
北関東新聞社で一匹狼的存在の悠木が日航機事故の全権デスクに任命され、県警キャップである佐山が地域報道班の部員である神沢と共に現場に向かう。
凄惨な現場をつぶさに目にした佐山たちは翌日の一面に間に合わせる為、必死で山を降りる。上層部の意向で無線の携帯も許可されていなかった彼らは編集部に連絡する為、電話を見つけるのに奔走する。
しかし輪転機の故障により、悠木や佐山が認識していた午前1時の締め時間は午前0時に変更されていた。。。。
うーん。。。
良いとか悪いとか、面白いとか面白くないとか言えない作品でした。
なんだろう・・・事故の凄惨さをとことん伝えるものではなく、事故の責任の所在を問うものでもなく、ただただ男達の熱いお話でした。
この手の主人公(悠木)のようなキャラを見るたびに「こういう人と仕事ができたら幸せだろうなぁぁ」と毎回思ってしまうんですよね(ちょっと観るとこが屈折してるのかも 笑)
紅一点の玉置が男性の中で頑張ってるのがなかなか良かったです。ヘンに女性としての気負いもなく(いや、全員気負いだらけだけど)普通に意見を主張してグズグズ言ってるオジサンたちより、よっぽどマトモに動いているのが好感持てました(笑)
約2時間半の作品でしたが、その長さがまったく苦になりませんでした。
これでもか、これでもかと言うほどの苦難と苦悩の連続。
やっと今度こそスクープか!?という時の編集と販売のぶつかり合い。ものすごいですね~。心底羨ましいと思いました。あんなに衝突しながら仕事できるなんて。さすが団塊の世代の方々です。しかし結局、最後の最後までスクープは無理だったんですね~。
ここんとこがちょっと意外だったかな。でもそうでないと、ラストの息子のところに行くシーンに繋がらないし、あの「チェック、ダブルチェックだ」のセリフが活きてこない。あれはあれで賢明な選択だったんでしょう。実際、事故原因自体ハッキリしていないみたいだし。
作品自体は日航機事故以外でも友人の安西とのエピソード、そしてこの映画の軸になっている安西の息子、燐太郎との登山。社長である白河との関わりや、上司である等々力との確執など最近の邦画の中でも珍しいくらい骨太な作りになってます。
ラストのニュージーランドのシーンは素敵でした。昭和60年と登山の素晴らしい景色とニュージーランドの風景がうまく繋がっていて、違和感なく観られました。
でも肝心の悠木の息子は後姿のみ(笑)
あえてヨメさんと孫だけ映ってたのがいいのかも。
原作者の横山さんの作品はだいぶドラマ化されているし、映画「半落ち」はあまりにも有名。しかし横山さんが、元新聞記者だとは知ってましたけど、元上毛新聞の方で御巣鷹山に登っていたとは知りませんでした。
当時、県警担当で現場に一番乗りだったそうですから、佐山はご自分がモデルなんですね、きっと。
食料も持たず、必死で降りてきたのに道に迷ってしまって締め切りに間に合わなかったそうです。どれだけ無念だったか。。。
そうか・・・・・横山さんて、そういう方だったのか、って感じです。
この一報を伝えられなかった事が作家という道に向かうきっかけになったようですが、わたしにとってもこの作品が何かのきっかけになるといいな・・・と思いました。
夏になると毎年、あの時の不安な気持ちを思い出すのと同じように、この作品は何だか忘れられないものになりそうです。早くも自分の中では今年度ナンバーワンかもな。
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