わるいやつら 第2回
すみません、遅くなりました。
「わるいやつら」第2回レビューです。
昏睡状態の龍子は戸谷病院に入院し、龍子の亡くなった夫の弟が見舞いにやってくる。龍子が突然錯乱状態に陥り、現在の状況に至ったと戸谷が説明するが、龍子の義理の弟は何の疑いも持っていないようだ。
龍子にクスリを打ち続ける豊美。
とうとう龍子は亡くなる。
警察に疑われる事なく火葬されるか見届けるよう戸谷に即され、葬式に出かける豊美。だが、偶然その葬式でチセと会ってしまう。無事、葬儀は済んだものの疑心暗鬼状態の豊美は誰と会っても挙動不審だ。途中、大晦日の日に龍子の夫が戸谷病院に運ばれてきた時の当直医とまで会ってしまうが、自分はもう看護師を辞めたのだと言ってしまう豊美。自分にはもう看護師の資格はない、と思っているようだ。
一方、龍子の葬儀が無事終わったと聞いた戸谷は一人笑みをもらす(てか、思いっきり笑ってたけど)戸谷病院の経営状態は最悪で薬品の支払いが3ヶ月分も溜まり、それがもう2400万円にもなっていると言われても、追い詰められた様子もない。
チセのところに金の無心に行くが、見抜かれて相手にされない。
神棚にたまたま見つけた値打ちのものの茶碗を持ってきてしまったり、下見沢に槇村隆子を譲るかわりに豊美を紹介してくれ、と言われても無表情だったり、良心の呵責も何もないのか、と言うより人間じゃなくてこの人ロボット?って感じもありつつ・・・・(笑)
しかし豊美は良心の呵責にさいなまれていた。
戸谷の次のターゲットは槇村隆子。下見沢に隆子の実家が金持ちだと聞いてどうやらその気になったらしい。(あれ~?隆子って苦労人じゃなかったっけ・・・)隆子の家まで送り、思わせぶりに彼女の手を取りキスをする戸谷。
そんな戸谷を家の前で待っていた豊美。殺人を犯してしまった苦しさから取り乱している。なんとか豊美をなだめようとする戸谷は「これからは悪党として生きるんだ、ふてぶてしく・・・」と彼女に語る。
ある日、戸谷が下見沢のところへCTの写真を届けるよう豊美に頼む。しかし、それは下見沢と豊美を会わせる口実だった。戸谷がそれを承知のうえで下見沢のもとに来させた事にショックを受ける豊美。もう戸谷には事件の事も人を殺してしまったという苦しさも微塵もない・・・。自分が龍子を殺めてしまってから触れなくなってしまった赤ちゃんを軽々と抱き上げる戸谷を見て自分はとんでもない男を愛してしまったのだろうか・・・と悟る豊美。
うーん、すごいですねぇ戸谷さん。
もうここまでくると「わるいやつ」っていうより、ただ何にも考えてない超自己中なやつなのでは?彼が細かく計算するのは女を落とすまでで、後の事は行き当たりばったり。緻密な計算をして人を陥れるというわけじゃないし、見方を変えれば馬鹿な男なのかも。
今回は前回に比べると、ちょっと奇妙な雰囲気の作りというか、今までの黒革やけものと違った松本清張っぽさを感じました。
ちょっと展開が速いので豊美が戸谷にのめり込んで殺人まで犯すものの、今度は良心の呵責で苦しみ続けるところがちょっと上手く感情移入しにくいというか、ただの映像としてしか映らないというか。。。。うーん、米倉さん結構いいんだけどなぁ。
上川さん、北村さん、余さん、みんなイイんですけど、なんか速いよねテンポが。
しかしわたしは「けものみち」より全然面白いと思いますね。米倉さんの普通っぽさが確か
に今までの作品とはちょっと違う感じだし、周囲の悪い人間の中で一人、悪いやつになり切れない辛さみたいなものが出ているし。
残念なのは、ちょっと隆子がわたしのイメージと違ってちょっと軽いんですよね~。もっとドロドロした雰囲気の魔性系の女性をもってきて欲しかったかなぁ。
今回はなんか色々なシーンの寄せ集めみたいな感じでうまく噛んでない感じがありましたが今後どうなっていくのか、楽しみである事に変わりはないです。
| わるいやつら〈上〉 著者:松本 清張 |
| わるいやつら 下 新潮文庫 ま 1-9 著者:松本 清張 |
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コメント
お待ちしておりました。
いつも思うのですが、シーン選択が上手いですね。
豊美の指にkissの場面がとくに素敵です。
でも、この回を見たとき、ラストの戸谷の表情にすべてがふっとんでしまって
どうにも混乱してしまったのも事実。
あれは本当に戸谷の表情なのでしょうか?それとも豊美の心象?
あれじゃ腕の中の赤ちゃんが火がついたように泣き出します。
…と、たぶん瑣末なことに意識がぶっとんでしまいました。
戸谷の行動はいきあたりばったりです。2400万という金額の凄さに気がついてないし。
彼は、彼の世界をひとりで遊覧しているのでしょうか。
他人をすっかり排除したままで。
投稿: 緑あひる | 2007年1月29日 (月) 23時47分
緑あひるさん
>いつも思うのですが、シーン選択が上手いですね
このブログにおいてはそれだけが取り柄なので ^^;
漫画の絵コンテみたいなもんですかね、わたしにとっては。
>ラストの戸谷の表情にすべてがふっとんでしまって
なるほど。これ以上ないほど邪悪な微笑みでしたからね。
しかし、邪悪と無邪気って表裏一体ではないかと思うのです。
戸谷の無邪気さは子供が持つ残酷さに似ているような気がしますね。
そうですね、まさに彼は彼だけの世界で生きているのでしょう。
しかしそう充実しているようにも思えません。
自分を満足させてくれるもの、欲しいと思うもの、次から次へと追うものの、結局手に入らない虚しさ・・・というより、「ふーん、じゃ、いいや別に」みたいな無気力さだけを感じてしまいます。
投稿: せるふぉん | 2007年1月29日 (月) 23時57分